不正咬合の問題点
なぜ、不正咬合は問題なのか
歯並びと上下の歯の噛み合わせが異常な状態を「不正咬合」と言います。
問題点
- しっかりと咀嚼(物を噛むこと)出来ない
- 歯磨きなどのケアがし難い
- 一部の歯に大きな負担をかける
- 見た目が悪く審美性に欠ける
以上のような問題点が挙げられます。
これらの事が原因となって、
- 消化不良
- 顎関節症
- 歯の欠損
など、様々な問題に発展してきます。
不正咬合は、治療によって正常な状態に直すことが出来ます。
口腔環境を整えることで、健康的な身体を維持できるようにしましょう。
CASE1:でこぼこに生えている
叢生:そうせい
でこぼこと生えた歯の症状を「叢生:そうせい」または「乱杭歯:らんぐいば」)と言います。皆さんがご存知の「八重歯」も叢生の一種です。
でこぼこの原因
<後天的な要因>
乳歯から永久歯への生え変わりがうまく行かなかった場合、叢生になることが多いです。あまりにも歯が早く抜けてしまうと、奥歯の永久歯が前に移動しやすくなります。それによって、これから生えてくる永久歯の生える場所を妨害してしまうのです。
<先天的な要因>
生まれつきの「顎の大きさ」や「歯の大きさ」によって、歯並びが悪くなってしまうことがあります。
でこぼこによる悪影響
- 見た目が悪い
- しっかりと咀嚼(物を噛むこと)出来ない
- 正しい発音がし難くなる
- ブラッシングし難い
→結果、虫歯や歯周病になりやすい
CASE2:噛み合わせが深い
過蓋咬合:かがいこうごう
噛み合せの際に、上の歯列が下の歯列にすっぽりと覆いかぶさっている状態の不正咬合を「過蓋咬合:かがいこうごう」と言います。
一見、綺麗な歯並びをしているように見える過蓋咬合ですが、噛み合わせが深いことで顎の関節への負担が大きくなってしまいます。
噛み合わせが深い原因
<子供>
虫歯などが原因で、乳歯の奥歯が早い段階で抜けてしまった際、咬む力によって負担がかかり過ぎてしまいます。それによって耐えきれなくなった奥歯が沈んでしまったり、伸びる妨げになってしまったりすることがあります。
<大人>
骨格の位置関係が正常ではない場合(過成長によって上顎が長い、逆に下顎が小さいなど)は、過蓋交互になりやすいとされています。また、歯ぎしりや強い食いしばりなどの癖によって奥歯が削られ、過蓋咬合を引き起こす方もいらっしゃいます。
噛み合わせが深いことによる悪影響
- 顎関節症(顎がガクガクする)になる確率が高まる
- 前歯(口腔内)が乾燥しやすい
→口が乾くと、虫歯・歯周病・口臭の原因に - 前歯が大きく見える
CASE3:受け口
反対咬合:はんたいこうごう
噛み合わせの際に、下顎が上顎に被さるような形で前に出てしまっている状態を、受け口(反対咬合:はんたいこうごう)と言います。
受け口の影響によって顔形の印象が大きく変わってくることも多いため、成長期を迎える前に治療するのが理想的です。
受け口の原因
<後天的な要因>
成長過程で上の前歯が内側に向いて生えている方は、受け口に見えることがあります。また、小さなお子さんは無意識のうちに、下の顎を前に突き出してしまう癖がります。それが原因で次第に受け口になってしまうことも考えられます。
<先天的な要因>
「下の顎が大きい」または「上の顎が小さい」等、遺伝による骨格の形状が要因になるケースがあります。
受け口による悪影響
- しっかりと咀嚼(物を噛むこと)出来ない
- 正しい発音がし難くなる
- 顔形に影響する(変形する)
- 顎関節症になるリスクを高める
CASE4:前歯が噛み合わない
開咬:かいこう
開咬はオープンバイトとも呼ばれ、主に、大きく2つに分類されます。1つ目は「前歯部開咬(ぜんしぶかいこう):前歯に隙間ができる状態」です。そして、2つ目は前歯部開咬の逆の状態である「臼歯部開咬(きゅうしぶかいこう):前歯を噛み合わせたときに奥歯に隙間ができてしまう状態」です。
開咬の原因
<後天的な要因>
口呼吸が原因で、開咬になることがあります。口呼吸の方は、口を開けていることが多いため、舌を自然に正しい位置に収めておくことが出来難いのです。それが、口腔内の筋肉バランスの乱れを生み、結果的に開咬の原因になります。
<先天的な要因>
遺伝によって開咬になっているケースは少なくありません。特徴的な骨格をしている方に多いとされています。
開咬による悪影響
- しっかりと咀嚼(物を噛むこと)出来ない
- 正しい発音がし難くなる
- 滑舌が悪くなりやすい
- 口呼吸になりやすい
→口が乾くと、虫歯・歯周病・口臭の原因に
CASE5:出っ歯
上顎前突:じょうがくぜんとつ
上の歯列が下の歯列よりも前に出すぎている状態を「上顎前突:じょうがくぜんとつ」=「出っ歯」と言います。
過蓋咬合(上の歯列が下の歯列に覆いかぶさった状態)と比較すると、上の歯列が極端に前方に突き出て状態が「上顎前突=出っ歯」とされます。
出っ歯の原因
<後天的な要因>
幼児期に「指しゃぶり・爪を噛む・舌で前歯を内側から押す」などの癖があり、永久歯に生え変わる時期までに、それらの癖が直らないお子さんは、歯並びに及ぼす悪影響は大きくなります。
<先天的な要因>
生まれつき「上の顎が大きい」「下の顎が小さい」ことで、出っ歯になりやすい傾向にあります。顎の前後の位置関係も、遺伝によって左右されることがあります。
すきっ歯による悪影響
- 隙間に食べ物が詰まりやすい
- 正しい発音がし難くなる
- 見た目が悪い
CASE6:すきっ歯
空隙歯列:くうげきしれつ
歯と歯の間に隙間がある状態を「空隙歯列:くうげきしれつ」「すきっ歯」と言います。歯茎に余分なスペースができてしまいます。
すきっ歯の原因
<後天的な要因>
幼児期に指しゃぶりの癖があり、成長の過程で直りが遅かったお子さんは、「出っ歯」や「すきっ歯」になっていることが多いです。頬杖やうつ伏せ寝などの悪習慣も、お顔の骨格を歪め、顎へのストレスが「すきっ歯」の要因となるケースもあります。
<先天的な要因>
生えてきた歯が「小さい」「形が悪い」ことで、隙間ができてしまうことがあります。また、歯が生えてこない(先天的な歯の欠損)によって、隙間が生じてしまうことも考えられます。
すきっ歯による悪影響
- 隙間に食べ物が詰まりやすい
- 正しい発音がし難くなる
- 見た目が悪い
患者様へのメッセージ
最適な矯正方法をご提案します
不正咬合(悪い歯並び)と言っても十人十色。患者様の歯並びや口腔内の状態によって、最適な矯正方法は異なります。また、年齢(大人・子供)によっても矯正方法の選択肢や理想的なタイミングは大きく変わってきます。
まずは初回相談を
口腔環境だけではなく「なるべく目立たないように矯正したい」「安価で治療したい」など、患者様のご要望に合わせてご提案させて頂きますので、まずは「初回相談」にてお伺いさせて頂けると幸いです。